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今年もちょっと面白かった武田の株主総会

2011/06/25
『今年もちょっと面白かった武田の株主総会』

 昨年の武田薬品工業の株主総会では、議長が再三の注意に従わなかった株主を退場させました。今年の株主総会では、緊急動議を提案した株主が登場しました。

 緊急動議は、規模の小さい株式会社で、代表権を奪うなんてドラマでありそうな事態は考えられそうですが、一流企業の大規模な株主総会では、結果が分かってますから、ほとんど見られません。
 どうしても話題にしたければ、普通なら、株主提案の議題として、事前に提出するのが慣例でしょう。例えば、今年は、ほとんどの電力会社の株主総会で、原発事故に関連して定款などを変更する株主提案が出されています。

 今回の武田の株主総会で緊急動議を出した株主は、事前にその内容を会社側に提出していたようですが、私の想像では、株主総会の議案としては不適切ということで、相手にされなかったかも?

 そこで、この株主は、総会の場で緊急動議として発言し、多くの株主の前でどうしても直接説明したかったようです。
 当然ながら、株主総会では原案の方だけの賛否を諮り、多くの賛同を得たことで、自動的に緊急動議を否決する結果となりました。

 その緊急動議の概要ですが..。

 武田は藤沢と鎌倉にまたがる地域に、新しく「湘南研究所」を建設しました。動議を出した株主は、その周辺の住民のようです。
 その株主によると、その研究所からの排水が適切に浄化されていないとして、排水処理施設を建設しろ、というものです。その排水の危険性を、他の株主たちに訴えたかったようです。
 原発事故の発生と同様に、遺伝子組み換えなどの研究による排水などが、環境へ悪い影響を与える可能性が高い、と訴えたかったようです。

 ところが、その問題を、なぜか「剰余金の処分の案」を変更するような提案にしてしまった。

 原案は「1株あたり90円」ですが、動議の方は、1株あたり数円(4円や6円ほど)減額して、その分で排水浄化設備を設置せよ、というものです。ちょっと肝心の問題解決とは、観点がズレている感じです。

 この株主がどの程度の株数を保有しているかは知りませんが、決議に影響するような株主ではなさそうです。ですから、緊急動議を出すのなら、せめて相応の大株主を説得しているのなら、まだ分かりますが、それも無かったようです。

 しかも、この問題を質すのであれば、株主として利益処分案の議案を変えるよりも、地元住民の味方をもっと増やすような行動の方が、効果的で適切なようです。
 まぁ会社側の扱いに不満である気持ちは分かりますが、突然、株主という立場で他の株主の賛同を得ようとするのは、ちょっと無理なようです。

 しかも悪いことに、関西の武田の株主は、武田の経営者に「どうして研究所を関西から神奈川へ移したのか、大阪へ戻ってこい」なんて人が多いのですから、この株主の意見に賛同する人は少ないでしょう。

 神奈川県からせっかく来られた株主でしたが、ガラの悪い関西の株主から、かなり罵声を浴びせられてましたから、残念ながら無残な結果になったようです。

<以上、私個人の見解ですので、投資の際はご自身の判断で行ってください>
by raccoblog | 2011-06-25 06:43 | 投資よもやま話