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投資は余りにも販売側に有利な状況です。様々な意見を聞いてから判断しても遅くありません。


by racco
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(猫な投資話:第169回)やっぱり騙される側になる投資家が多くなる

2012/08/26
『(猫な投資話:第169回)やっぱり騙される側になる投資家が多くなる』

 資産運用の話題になると、たいていは「住宅資金」「教育資金」「老後資金」などのテーマが出てきて、その目的の特徴に応じた金融商品を提示することが、FPなどの役割みたいに思われているようです。

 何らかの目的をある程度の期間に達成するためには、その目的の重要度が高いほど、単純な「積立」や「貯金」が最も有効な手段のハズです。
 例えば、「10年以内に住宅取得の頭金を500万円貯める」であれば、当然ながら毎月約5000円積み立てることで、その口座を分けて管理することでしょう。

 ところが、多くの金融機関で相談すると、相談者の目的によって、リスクとリターンが関わる「資産運用」を推奨し、期待リターンを前提とした金融商品の組み合わせを提示してくれます。
 住宅資金であっても、低いとはいえ何等かのリスク商品を組み合わせることで、積立より早い時期に目標額が達成される、かのような錯覚を与える提案です。しかも、金融商品の資産配分を自動的に決定してくれるシステムを、安易に使うことで、相談を受ける側も、肝心の相手のことをほとんど何も考えない傾向が強い。

 これは、相談する側も自分の目的に応じて、具体的な商品を提案してくれるので、とてもありがたいようですが..。

 このサービスのポイントは、相談者が「専門家だからお金儲けが上手い人たちだ。その人たちが提案してくれるのだから、間違いない」なんて期待と願望を、相談者が勝手に持ってしまうことを、上手く利用した「だましの手口」に近いものです。
 相談者が、大手金融機関などへの期待が余りにも過大で、信用し過ぎるようです。でも、他に無料で相談にのってくれる相手もいない。

 ちなみに、「住宅資金」であるならば、私のアドバイスも当然ながら「積立」や「貯金」です。極めて平凡です。相談するまでもありません。

 明確な目的の達成額と期間が想定できる場合の基本は、「積立」です。
 そのための口座を別に作って、そこで管理します。それを決めた後に、まだ「余剰資金」があるのなら、その時に「資産運用」を考え、その金額の範囲でリスクとリターンを考え資産配分や組合せを検討します。余剰資金がないのなら、私は、資産運用の話はしません。資産運用で儲けるよりも、もっと仕事で稼ぐことの方が大切でしょう。

 その「余剰資金」の運用で上手くいった場合、それを売却して、先にあげた「明確な目的」の口座に振り分ける。それによって、目標額の達成が早まることになる。これもまた自然な考え方です。
 その程度のことです。特別な金融商品や儲かる話を、FPが持っているわけではありません。そもそも、そんな上手い話や金融商品を知っているとしたら、私は絶対に他人に話したりしません。

 「他人を儲けさせることが仕事だ」なんて言う人は、おそらく金融機関の社員には居ないでしょうし、それを口に出していても嘘です。そんな人がいたら、自分が儲けた分を寄付するなんてことですから、自分じゃなく他人のために儲けることになりますから、そんな人は居ないと考えるべきでしょう。

 多くの資産運用会社など、他人の資金を運用する会社が破たんした原因をみると、自分を含めた一部の人たちを儲けさせるために、多くの投資家を騙す必要に迫られる事態になるようです。
 大手の金融機関でも、似たような構図になっていて、結局は、多くの個人投資家は、儲けさせてもらえる側ではなく、騙される側になるでしょう。

<以上、私個人の見解ですので、投資の際はご自身の判断で行ってください>
by raccoblog | 2012-08-26 07:12 | ■猫な投資話